リサ・マリーへ捧ぐ

リサ・マリーへ捧ぐ

リサとの出会いはとても不思議なものでした。

いまから22年前、わたしがまだ社会人2年目、22歳のとき、姉と友人と3人でバハマ旅行に行きました。

そしてバハマにあるピンクサンドビーチ、エルーセラ島に行くセスナで一緒になったのがドイツ人のアンジー。

彼女とはすぐに意気投合して連絡先を交換。帰国後早速手紙とパッケージのやり取りが始まりました。

その翌年、わたしは初めてドイツに訪れることに。KLMで行くことを伝えると、じゃぁアムステルダムに集合しよう!アメリカからも友達が来るから、一緒に旅をしよう!と。

そしてアムステルダム空港に着いたとき、アンジーと一緒にいたのが、リサなのでした。

リサはわたしの8こ上、当時30歳。アンジーは12こ上で、当時34歳。2日間のアムステルダム、3人で大いに盛り上がり、電車で国境を越え、アンジーの住むハンブルグへ。そこからはアンジーの友人、マイケルも合流し、アウトバーンでの時速200km越えとか、もーホントに生きた心地のしないドライブを体験しながらも、ロマンチック街道、ローデンブルグやノイシュバンシュタインなんかも巡ったり。

その旅も、本当にいろいろあったのだけれど、そこからはリサともメールや電話のやりとりが始まりました。

そのまた数年後、2001年くらいかな、アメリカ出張が頻繁になり、オークランドに住んでいる彼女と度々会うことに。

いやー、いろんな遊びをしました!夜のサンフランでクラブをはしごして閉店まで遊んだり、ドラッグショーに行ったり、丘の上からサンフランの高級住宅街を見下ろして、落ちていく夕陽を見ながら巻きたばこをふかしたり。

彼女は昔から真実を追求するひとで、アメリカが大嫌いで、種のことやケミカルのこと、フッ素やテフロン、小麦や白砂糖、トランス脂肪酸のことなどを、よくわたしに話してくれました。その頃のわたしは、へぇーーー、という感じで、彼女はそんなわたしに対して、つい言いたくなっちゃうのよね、と言いつつも、けして無理強いなどはせず、伝えたら、あとはわたし次第、というスタンスでした。

その後リサは、彼と一緒にスペインに移住して、スペイン生活をとても楽しんでいたようでした。

最後に会ってから15年は経つのかな。Facebookでたまにやり取りをしながら、お互いの近況を見たりして。そして去年、彼女がアンジーとの旅行の写真を載せていて、来年リユニオンしよう!という話で盛り上がったり。

そしてこの春分を前に、彼女が亡くなったことを知りました。

彼女のご家族の方が、Facebookに投稿したのを見て、知りました。

アンジーはFacebookをしていません。久しぶりに、彼女に連絡を取ってみると、やはり彼女はリサの死を知りませんでした。

リサとのヒストリーが深いアンジーは悲しみに泣き崩れて。

わたしは、リサとの時間、リサとアンジーとの時間を想いつつ、昨日は新しい創作を始める日でもあったので、いろんな思いがありながらも作業を進めていきました。

でも - 産みの苦しみもあり。

わたしにとって、創作は - イマジネーションの時間はものすごくわくわくするのだけど、実際クリエイションに入ると、ものすごい・・・苦しみというか、こう、産み出していくときの緊張感というか、ものすごく高い集中力の中で、ある意味変性意識的なところでの作業となるため、完全にそこに入るまで、ちょっと大変なんですよね、なんなんでしょうね。

昨日はちーっともそこには行けず。まして今回は初めての試みでもあったので、違う、違う、こうじゃない、違う、・・・の繰り返し。最後らへんでようやくグワーンと動きつつも、まだまだ目指すところまでは遠いなぁ。でも、取りあえず春分で始めることが出来たし、次への課題も見えてきたし、良しとしようかな。

朝になって、少し落ち着いたアンジーからメールが来てました。今年果たそうとしていたリユニオン、それが叶うことはもうない。でも同じ後悔を繰り返したくないから、お互い連絡を取り合って、チャンスがあれば会おう、と。

初めてアンジーと会ってから、22年。タローデパリで言う、一つのサイクルです。すべての過去は切り離されることなくいまに繋がっていて、そしてここからの可能性はまだ未知で。この22を超えていくキーが、ゼロ。ゼロは0 = Nothing(ナッシング)だけではなく、○ = Whole(すべて、在る)ということ。

リサの死を通して、いのちの儚さと尊さと美しさを同時に体験しながら、いま、わたしはまだ、この肉体を伴いながら、チャレンジ出来るということを、再び思い知らされる。そうしてまた、新たなサイクルの始まりとなった、のかな。

リサはいつもわたしのことをスウィーティ、と呼んでました。

いつも真っすぐで、すぐにブチ切れて、そしてその後しょんぼりしていたリサ。

あなたの豪快な笑い声が大好きです。

ありがとう。愛を込めて。R.I.P.